ADHD(注意欠如・多動性障害)の人は、部屋の片付けが苦手であるといわれています。
一般的な人と比べるとどうしても部屋が汚くなりがちですが、「ADHDだから」と諦めてはいけません。
意識や工夫次第でキレイな部屋を実現し継続させることも十分に可能なのです。
この記事では、そんな「ADHDの人が意識したい片付けの仕方」について解説していきたいと思います。
ADHDの人が片付けられない原因
ADHDの人は、以下のような理由によって片付けが苦手であるとされています。
・物事を最後まで完了させることが苦手(掃除を始めても最後までできない)
・億劫なことを先延ばししてしまう傾向にある(掃除しなくてはと思っていても行動に移せない)
・段取りを組むのが苦手(順序立てて掃除ができない)
・脳内多動であるため(片付けをしている最中も違うことに意識が向いてしまい掃除が終わらない)
それゆえに、テーブルの上に食べたお皿やお菓子の袋が置きっぱなしになっていたり、洋服なども脱ぎっぱなしになってしまったりするわけです。
例えば料理をしたとしても、洗い物をすることが難しいため、シンクの中に洗わなければならないお皿やコップが溢れ返っていることも珍しくありません。
注意してくれる人や一緒に掃除してくれる人がいなければ、「ゴミ屋敷化」するケースも多いのです。
ADHDの人が意識したい片付けの仕方
ADHDの人も、部屋の中を汚くしたいわけではありません。
「キレイにしたい」という意識はあるものの、掃除をこまめに行うことができないのです。
しかし、意識と工夫で改善することが可能です。
具体的に挙げていきましょう。
①タイマーを活用して掃除をする
ADHDの人が掃除を始めると、例えば積み重なった本を本棚に戻す作業の時に手に取った本を読み始めてしまい、結局掃除が進まないケースも出てきます。
これを防ぐために、「タイマー」を利用することをおすすめします。
この時、「30分だけ掃除しよう」とタイマーをセットするのではなく、5分ごと(もしくは10分ごと)に音が鳴るように設定します。
複数回タイマーが鳴るように設定しておくことで、途中で掃除の手が止まってしまっている時に自身で気が付けるようになるはずです。
②1回の掃除は短時間で1ヶ所のみにする
ADHDの人は脳内多動であるため、複数箇所を掃除しようとすると集中力がなくなりどの箇所も掃除が不完全となってしまいます。
そのため、1ヶ所だけ掃除すると決め、さらに短時間(15分~20分程度)で済ませるようにしましょう。
長い時間集中することが苦手であるため、1回の掃除の時間は短くして、回数を増やすことで部屋のキレイさをキープしていきます。
「毎週日曜日と火曜日、木曜日」というように決めておけば、そこまで部屋の中が汚くなることもないはずです。
③大きな分類ごとに箱や棚を用意する
ADHDの人の場合は、靴下や下着、肌着などを個別に収納することが苦手です。
そのため、大きな分類ごとに箱や棚を用意し、そこにまとめて入れるような整理整頓を行いましょう。
例えば、靴下や下着、肌着などは1つの箱や棚でOKですし、「上半身に着る物」と「下半身に穿く物」といったような分類でOKです。
整理整頓が非常にしやすいシステムなので、ADHDの人でも掃除や整理整頓が苦にならないはずです。
まとめ
今回は、「ADHDの人が意識したい片付けの仕方」について解説してきました。
キッチンやリビング、バスルーム、トイレ、洗面所など掃除はこまめに行うのが基本ですが、ADHDの人は様々な原因によってそれが困難となります。
しかし、ここで挙げた3つの工夫を実践することで、ADHDの人でも部屋をキレイな状態に保つことができることでしょう。
「いつも部屋が汚い」と感じているADHDを患っている人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
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